沖縄の医療を日本に(そして世界に)発信しよう!!

藤田次郎教授 琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)
藤田次郎教授   平成20年5月22日

 琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)に赴任して、3年が経過した。長かったようでもあるし、短かったようでもある。香川大学医学部第一内科での17年間の呼吸器内科医としての経験は、様々な呼吸器疾患を全体的に捉えることができる点で財産になっているし、また香川大学医学部第三内科(消化器グループ)との共同研究で、自己免疫性肝疾患を勉強できたことも私の土台となっている。

 虎の門病院、国立がんセンター、アメリカネブラスカ医科大学、および香川大学医学部附属病院を経験してきた私にとって沖縄県の医療文化は内地のものと異なっているように感じた。その異質感とは、最新の米国の医療そのもの、古き良き米国の医療を受け継いだ県立中部病院の伝統的医療、およびわが国のきめ細かな医療の坩堝(るつぼ)といった感覚であった。加えて、救急診療の充実、チーム医療の確立、および屋根瓦式教育の徹底なども沖縄県の医療の利点として挙げることができる。これらの部分は沖縄県の県民性(皆で助け合おうというユイマール精神)によるところが大きいと考えている。
第一内科の医局は消化器グループ、感染症グループ、および呼吸器グループの3つに大きく分かれているが、皆が協力しあうことが大きな特色である。全ての部屋の鍵が共通であることに、赴任当初は戸惑ったものの、今は違和感はなくなっている。

 沖縄県の医療を私自身も新たに学び、かつ実践しているうちに、幸いなことに、数冊の本を出版することができたので是非、紹介したい。

感染症診療ゴールデンハンドブック  平成19年5月に出版された「感染症診療ゴールデンハンドブック」(南江堂)は、沖縄県立中部病院部長であった喜舎場朝和先生と一緒に編集したものであるが、沖縄県の多数の先生方に執筆していただいた手軽なマニュアル本である。この本の書評については、以下のものを参照されたい。
書評1】 【書評2】 【書評3
呼吸器病レジデントマニュアル  平成20年4月には「肺炎の画像診断と最新の診療」(医薬ジャーナル社)を発刊することができた。これはわが国における、肺炎診療の集大成ともいうべき内容となっている。私としては、表紙も含め満足のいく本に仕上がったと自負している。宮城征四郎先生が推薦のことばを執筆してくださっているので、それをを以下に紹介する。
推薦のことば
肺炎の画像診断と最新の診療  同じく平成20年4月には「呼吸器病レジデントマニュアル」(医学書院)を発刊することができた。これは伝統のある本ですでに第4版になっているが、本版より私が編集者の1人となっている。
 またFraserのtextbookの監訳(清水英治、藤田次郎監訳、西村書店)、呼吸器感染症のすべて(藤田次郎、門田淳一編集、南江堂)、琉球大学医学部附属病院院内感染対策マニュアル(仲松美幸、藤田次郎編集、学研)、非結核性抗酸菌症の基礎と臨床(編集者の1人、医薬ジャーナル)などを近日中に出版予定である。

 さらに今後数年間にわたって、「今日の治療指針(医学書院)」の感染症の部分も編集させていただくことになっている。また沖縄県臨床呼吸器同好会の症例検討会の内容は、平成21年から医学書院の定期刊行雑誌である、Journal of Integrated Medicine(JIM)への連載が決定している。このような機会を通して、沖縄の診療スタイルを発信したいと思っている。

 これからは若い先生に本を出版して欲しいと願っている。具体的には、山城信先生を中心にグラム染色に関する単行本を医学書院から出版予定である(著者、山城信、監修、遠藤和郎、藤田次郎)。これ以外にも感染症アトラス、PBLに基づいた呼吸器疾患の診断、呼吸器診療マニュアルなども企画したいと思っている。

 繰り返すが、これらの著書を出版する第一の目的は、沖縄の医療の素晴らしさを全国に発信したいからである。そのためにも症例を1例1例、大切にし、検体採取を心がけ、確実に診断のついた症例を積み上げたいと考えている。このことを診療担当医に切に願いたい。

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