チーム医療の確立

集え若手医師へ、大リーガーのイチロー、松井に学ぶこと

藤田 次郎教授
平成17年7月7日

 卒後臨床研修制度の必修化により、皆さんは様々な病院での臨床を経験されていると存じます。しかしながら、多くの病院においても未体験ゾーンに突入しているわけで、必ずしも今の研修に満足されていない方もおられるのではないかと存じます。

 私達の教室は、消化器、呼吸器、および感染症と非常に広い分野をカバーします。しかもそれぞれの分野には、日本を代表するようなspecialistが揃っています。すなわちプロ野球チームのようなものです。

 もしプロを目指すなら、一流になりたいと思うのは当然のことです。またもし同じプロになるのなら、走・攻・守の三拍子の揃ったイチローや松井のような選手になりたいと夢見るものです。

大リーガーのイチロー、松井

 私は野球でいう走・攻・守は、臨床医でいうと、臨床、教育、および研究であると思っています。琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)の目指すものは、この臨床、教育、および研究の三拍子を兼ね備えた医師です。

 臨床の教室ですから、臨床の重要性はいうまでもありません。また臨床の道をきわめるのも苦労がいることも事実です。ただし臨床を勉強するにあたっては、あまり専門分化するのではなく、むしろ様々な疾患を広く研修することが重要になります。その意味で、当講座のカバーする消化器、呼吸器、および感染症という分野はお互いに示唆をしあう部分があり、幅広い研修が可能になると考えています。また琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)では、チーム体制での主治医制を導入している日本でも稀な教室であり、勉強するにはもってこいの環境です。

 次は教育です。よい臨床医になるためには、学生や後輩医師に対する教育が重要になります。たとえば優れた臨床医は患者さんをうまく教育することができます。特に卒後臨床研修制度の必修化以後は、研修医を教えることのできない医師は失格の烙印が押されることになります。もちろん大学における教育の重要性は言うまでもありません。ただしわが国には、教育能力を評価するシステムが確立されていないため、教育を行うためにはある程度の奉仕の精神と、高い視点が必要です。すなわち将来の日本の医療を担う学生、および若手医師のために教育を行なうのだという強い意志が求められるのです。

 最後が研究です。最初に臨床を目指した方は、研究というと敬遠したがるものと想像します。ただし研究には、臨床研究と基礎研究の両方があります。私は臨床だけ行っている医師は、清原選手のような感じがします(早くは走れないし、守備も満足にできない)。本当の一流選手は、イチローにせよ、松井にせよ、走・攻・守が揃っているのです。その理由を以下に述べたいと思います。

 医学は急速に進歩し、医学の進歩に伴って様々な診断手技、および治療方法が新たに導入されています。この手技の中には、様々な遺伝子診断や、サイトカイン診断などが含まれています。これらは医学の進歩により導入された新たな診断手法であり、疾患の理解に必須のものです。これら最新の知見への理解を深めるために、ある時期、ゆっくりと腰を落ち着けて1つの研究テーマを掘り下げることも重要であると考えています。もちろん新しい診断技術、および治療薬の開発などを目指しての基礎研究の重要性はいうまでもありません。しかし私のいう研究は基礎研究のみではなく、ベッドサイドから得られた知見を検証する臨床研究を含んでいます。基礎研究を行うためには研究室が必要であり、制約されますが、臨床研究はやる気さえあれば、たとえ離島にいたとしても実施することができます。

 ここで日本の卒後臨床研修医のカリスマ的存在である、宮城征四郎先生について触れさせていただきます。宮城征四郎先生は私が琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)教授に就任した直後に写真に示すような立派な蘭を届けてくれました。

蘭

 宮城先生が超一流の臨床医であり、かつ教育者であることは誰もが認める事実です。しかし私が忘れてはならないと思うことは、宮城先生は京都大学において学位を取得されておられますし、さらに驚くべきことは、超多忙な臨床医としての生活の中で、約300編の論文を著されていることです。これは並大抵の努力でできることではありません。また沖縄中部病院時代には、講演のテーマも40テーマほどお持ちであったと聞いています。1つの講演のテーマを構築するためには、多数の論文をreviewする必要があります。40テーマを構築するためにはすさまじい勉強量が求められると想像できます。すなわち臨床医として、教育者として超一流の宮城先生の存在の土台には、その活動と並行して、多数の臨床研究を展開され、かつ多数の論文を著されているという努力の積み重ねがあるのです。若い医師の皆さんにはこの点を見落とさないようにしていただきたいと思っています。

 琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)には、皆さんをイチローや松井のような三拍子そろった大リーガーにたとえられるようなバランス感覚を持った臨床医に育てることを目指しています。是非、一度足を運んでいたただければと存じます。

 ちなみに平成17年6月現在、琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)において実施されているカンファレンス、および勉強会には以下のものがあります。ちなみに平成17年6月現在、琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)において実施されているカンファレンス、および勉強会には以下のものがあります。

  • 月曜日(午前8時):消化器グループ新患検討会
  • 月曜日(午後1時半):第一内科新患紹介、教授回診
  • 月曜日(午後5時半):退院患者報告会、医局会
  • 月曜日(午後6時半):呼吸器グループ新患検討会、内視鏡グループ内視鏡読影会
  • 火曜日(午後5時半):研究発表会(小グループ、大学院生持ち回り)、学会予演会
  • 木曜日(午後5時半):症例検討会(小グループ持ち回り)
  • 金曜日(午後4時):消化器グループ造影フィルム検討会
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