新臨床研修医制度

研修医の為の第一回後期研修合同説明会IN沖縄に参加して

琉球大学医学部感染病態制御学講座(第一内科)教授:藤田次郎

 沖縄県には、沖縄県立中部病院、臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄(以下、群星沖縄と略)、およびRyuMICなどの初期臨床研修システムが存在している。このうち群星沖縄を中心に、3年目以降の後期臨床研修のあり方について考える説明会が平成17年7月9日(土)に宜野湾市で開催された。31施設から46ブース(うち琉球大学医学部附属病院が16ブース)が設置され、病院側からの参加者数は145名、研修医の参加数は85名、合わせて230名の規模であった。私もこの会に出席し、また交流会では冒頭のあいさつを述べさせていただいたこともあり、説明会に対する私の感想を述べたい。

 まず群星沖縄は医学生から高い人気を得ており、2年連続フルマッチで、全国から多くの研修医が集まっている。この点に着目すればこのプロジェクトは大成功といえる。成功の要因としてはプロジェクトリーダー兼臨床研修センター長である宮城征四郎先生の知名度、および指導力に拠ることが大きいと感じている。また群星沖縄のコンセプトは、日本の医療の発展のためによい医師を育てることにある。このように全国からよりよい研修を求めて医師が集まるスタイルは、すでに長年の実績のある沖縄県立中部病院での研修システムと同様である。

 さて琉球大学医学部附属病院に赴任したばかりの、私の最大の関心事は、初期研修を終了した医師が沖縄県に留まるか否か、また留まった医師は離島医療も含めた沖縄県全体の医療に参加してくれるか否かである。実際に過去を振り返ると、沖縄県立中部病院においては700名以上の研修医を受け入れてきたものの、沖縄の離島における医師不足は解消していないという事実がある。ここで2つの想定をしたい。1つは群星に集まった初期研修医の多くが沖縄県を離れるという想定である。この想定には現実味がある。なぜなら前述した説明会には本土の病院からも多数の病院がブースを出し、かつそれらのブースに多くの研修医が集まっていたからである。この想定では、指導医(多くは県立病院出身者、あるいは琉球大学医学部卒業生)と初期研修医との年齢格差は毎年広がっていく。すなわちスタッフの動きを活性化させない限り、近い将来、屋根瓦制度は崩壊することになる。もう1つの想定は、群星の多数の研修医が、参加している病院群に残るという可能性である。この想定では、今後は琉球大学医学部卒業生の後期研修は群星に参加している病院群ではできなくなる。一方、指導医の多くは琉球大学医学部の卒業生でありながら、後輩の就職先を確保できない病院で指導にあたるという矛盾した事態が生じる。また自由意志で動く本土からの後期研修医が離島医療まで考えてくれるかという不安も残る。すなわち初期臨床研修医の多くが沖縄を離れても困るし、あまり残りすぎても困るという構図になっているとの印象を持った。

 日本の医療の発展のための医師育成もきわめて重要な課題であると思う。しかし現実に沖縄県の離島での医師不足が解決していない現状では、沖縄県における将来的な医療の展開のための研修制度のあり方という視点も必要であると感じた。

(沖縄医報 vol.41 No.9 2005 pp957-958)

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