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国際貢献・消化器内視鏡技術移転
―ラオス国セタティラート病院改善プロジェクト参加より―
金城 渚/金城福則
平成17年9月20日
琉球大学医学部附属病院では、1999年9月からラオス国セタティラート病院改善プロジェクト(L-J SHIP)に参加し、様々な分野の専門化を派遣・人的支援を行ってきました。われわれは、2002年1月より同病院において、消化管内視鏡検査部門を立ち上げ、整備することによりラオスにおける消化器内視鏡に関する医療・教育の中心的役割を果たすモデル施設を目指しました。JICAの援助により消化器内視鏡検査に必要な機器の導入を行い、ラオス側カウンターパートへ消化器内視鏡検査・治療に関する知識の伝授と実践・実技指導により技術移転を計りました。
写真左は、日本の援助によって建設されたセタティラート病院の正面玄関です。右はラオスのシンボルでもある象と国旗が敷地内に掲げられています。
セタティラート病院においては、カウンターパートとして医師4名、看護師5名を対象として消化器内視鏡機器や周辺機器の取り扱い方(メインテナンス・消毒法を含む)、検査・治療法に関する基礎知識のレクチャーを繰り返し行い、また実技指導を積極的に行ってきました。カウンターパートの中にはルアンプラバン県立病院(首都ヴィエンチャンから北へ500kmにある古都)の医師1名と看護師1名も含まれていました。
写真は、スライドを使用したレクチャーと実際の検査指導風景です。
ラオスに滞在し直接の指導は毎年1月から3月の3カ月間のみとし、それ以外の期間はカウンターパートのみで内視鏡検査を行い、その結果については随時メール・郵送等で報告してもらうシステムを構築し、現在も報告が継続されています。
その結果、2002年1月から2005年7月時点で1700件余りの上部消化管内視鏡検査を施行し、そのほとんどがラオス側カンターパートのみによる実施となっています。2002年の立上げから2004年末までに、胃癌60例以上、胃潰瘍170例以上、十二指腸潰瘍160例以上が発見され治療が行われてきました。ラオス国民からも大きな信頼を得ており、受診者はラオス全土から来院していることが調査で判明しました。また内視鏡検査受診者数も年々増加してきています。
2004年にはルアンプラバン県立病院において出張内視鏡検査も行いました。消化管内視鏡検査を行うことは、この地域においては全く初めてのことでしたので、検査希望者がどの程度いるのか危惧されました。5日間という短期間でしたが最終的に84件の受診者がありました。
写真は、上部腹部の激痛を訴え受診した女性で、N/Gチューブから胆汁色様胃液が排出されていました。内視鏡観察で回虫を十二指腸に確認し、虫体を摘出することによって症状は劇的に改善し患者および家族の喜ぶ姿がとても印象的でした。
技術支援は継続することが重要であると考え、今後もわれわれは、逐年もしくは隔年で内視鏡業務チェックのためセタティラート病院およびルアンプラバン県立病院訪問を予定しています
ラオスで見かけた風景・文化に付いても少し触れてみたいと思います。ラオスの宗教は、ほとんどの方々が小乗仏教であり信心深く、寄進による立派なお寺も数多く見かけます。男性は生涯に一度は仏門に入るべきとされています。写真左は早朝、朝もやの中、若い僧侶たちが托鉢に出かける風景です。ラオス語で托鉢は、“タクバーツ”と言いますが、実は“タクバーツ”から日本へ伝わり托鉢となったとされています。
ラオスの風習の中でバーシーというセレモニーがあります。(写真右)結婚・新築・出産等の晴れの門出、そして旅立ちや送別の時に行われます。中央を花、バナナの葉、ロウソクで飾られ、周囲には卵やお菓子・果物で盛られたお膳を中心に関係者一同が会します。花飾りの先端から四方八方に延びた木綿の糸を各人が手に巻きつけ、祈祷師によりサンスクリット語の祝詞が唱えられ祈りが始まります。その後全員が主賓の手首に一本づつ木綿の糸を結んでいきます。“仕事の成功を”、“ご家族の健康を”、“旅の途中の安全を願います。”と言う言葉が添えられ、手首の糸に息を吹きかけ“気”を入れます。ラオスの方々はバーシーをとても重要なセレモニーであると捉えています。心やさしい国民であります。われわれ専門家の送別のときにも執り行われ、感謝と再びラオスを訪れてくださいという気持ちが込められています。
乾季のメコン川の夕日は美しく有名です。対岸は隣国タイです。1月から3月で日本では冬ですが、ラオスでは日中30度を越す日も珍しくありません。陽が落ち、少し涼しくなったときによく冷えたビアラーオ(ラオス国内で生産され、ライト系です。)は最高にうまいです
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