1.研究の対象
研究 A:
2018年1月9日~2021年1月8日の期間で、琉球大学病院受診時に「血痰」「喀血」を認めた方または「止血剤(アドナ)」を処方された方。
研究 B:
2018年1月9日~2021年1月8日の期間で、琉球大学病院受診時に「急性咽頭炎」「急性扁桃炎」「急性気管支炎」と診断された方
2.研究目的・方法
【研究の目的】
咳嗽と喀痰は、呼吸器疾患において最も重要な症候であり、また、医療機関を受診する最も多い主訴です。特に喀痰は、気道の状態を反映してその性状が変化すること、そして非侵襲的に採取できる臨床検体であることから、気道の病態や疾患の診断に極めて有用とされます。
さらに、喀痰は患者のQOLを低下させる症状として重要ですが、しばしばコントロールが困難な治療のターゲットとなっています。
日本呼吸器学会から2019年4月に発表された「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」は、喀痰診療に関しては、世界初のガイドラインです。しかし、喀痰診療についての臨床データが乏しいため、全体として推奨エビデンスが低い状態になっているのが現状です。したがって、今後のガイドライン改訂に向けて、喀痰診療についてのエビデンスの構築が不可欠です。
本研究は、本ガイドラインの喀痰に関する内容のうち、①喀痰の性状と原因疾患、②血痰・喀血の原因、③急性気管支炎における喀痰の膿性化に対する抗菌薬使用の実態について検証することにより、喀痰診療においてより正確な情報提供を行うことを目的としています。
【研究の方法】
本研究はStudy A、B、Cで構成されています。いずれも多施設共同研究であり、Study A.Bは後ろ向きコホート研究、Study Cは前向きコホート研究となります。
Study A、Bでは、それぞれ「血痰および喀血を来した患者さんの原因疾患の頻度」、「急性気管支炎の診断を受けた患者さんの抗菌薬使用実態」を全国調査するものであり、Study Bは、「喀痰培養にて検出された原因菌毎の喀痰の外観」を調査するものです。本オプトアウトは、Study A.Bのものとなります。
本研究は、全国調査として実施するもので、最終的に、主たる研究機関である横浜市立大学大学院医学研究科 呼吸器病学でデータの集計を行い、次回の咳嗽・喀痰の診療ガイドライン改定時に本研究結果を掲載することを目標としています。
【研究の期間】
本研究の研究期間は、倫理委員会承認日から2025年12月31日を予定しています。
3.研究に用いる試料・情報の種類
情報:年齢、性別、診断名、基礎疾患、処方歴:抗凝固役薬および血小板薬、抗菌薬(種類、使用期間)等
試料:喀痰(外観、性状、培養結果)
4.外部への試料・情報の提供
主たる本研究機関である横浜市立大学へのデータの提供は匿名した報告書を、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。
対応表は当院の研究責任者が保管・管理します。
5.研究組織
横浜市立大学大学院医学研究科 金子 猛
東京女子医科大学医学部 多賀谷 悦子
長崎大学医歯薬学総合研究科 迎 寛
琉球大学病院 原永 修作
国際医療福祉大学成田病院 寺田 二郎
横浜市立大学附属市民総合医療センター 工藤 誠
藤沢市民病院 西川 正憲
横浜南共済病院 小泉 晴美
神奈川県立循環器呼吸器病センター 小倉 高志
関東労災病院 平居 義裕
茅ヶ崎市立病院 福田 勉
大和市立病院 松本 裕
横浜医療センター 椿原 基史
栄共済病院 三浦 健次
横浜市南部病院 宮沢 直幹
横須賀市民病院 山口 展弘
横浜労災病院 伊藤 優
平塚市民病院 釣木澤 尚実
6.お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
沖縄県中頭郡西原町字上原207番地
電話:098-895-1517
琉球大学病院 総合臨床研修・教育センター(第一内科)
原永 修作(研究責任者)
研究代表者:
横浜市立大学大学院医学研究科 呼吸器病学
金子 猛