平成21年6月25日 武嶋恵理子 第15回日本ヘリコバクター学会 上原H.pylori賞 優秀賞受賞

平成21年6月25日 武嶋恵理子 第15回日本ヘリコバクター学会 上原H.pylori賞 優秀賞受賞

 この度日本ヘリコバクター学会から大変名誉ある賞を受賞させて頂きました。 数多くのすばらしい研究発表がある中で本研究がこのような賞を頂けたのは、現在ご指導いただいている病原生物学教室の森直樹教授、また研究にご協力、ご支援頂いている藤田次郎教授や金城福則診療教授をはじめ第一内科の先生方のお陰であり感謝申し上げます。

 受賞した研究発表は「Helicobacter pylori感染による胃上皮細胞におけるATF3の発現誘導」という内容です。15年前にHelicobacter pyloriが、WHOによりdefinite cartinogen,Group1に認定されてから世界各国でH.pyloriが胃がん発症のメカニズムにどのように関連しているか多くの研究が発表され、現在はHelicobacter pylori感染が胃がんの発症リスクであることは一般の方にもよく知られています。しかし、全世界で半分の人が感染している状況の中でどのような因子が胃がんへと進展する原因なのかは、まだ明らかではありません。

 今回のテーマであるATF3というのは乳がん、食道がん、前立腺がんをはじめ様々ながんで発現が上昇している転写因子で腫瘍増殖、転移にも関わっていることが言われていますが今回、私はHelicobacter pyloriによる胃癌発症のメカニズムにATF3が関連しているかを調べる目的で研究を始めました。まだ途中の段階での研究発表でしたが今後、本研究を発展させ、将来的にはこのATF3発現を抑制するような分子標的治療薬の開発から胃がん治療に貢献できればと考えております。

 H.pyloriは2次除菌治療まで保険適応が通り、すでに研究されつくされている感を持たれている先生方も多いと思われますが、2次除菌でも除菌できない症例は少数ですが存在し、そのような症例に対する3次除菌療法の検討、食物、プロバイオテイクスによる制菌作用の研究や、また胃十二指腸疾患以外のITP,小児の鉄欠乏性貧血への関連などまだまだトピックな分野であり今後は特に感染者の少ない小児科領域を中心に、学校健診への介入なども含めさまざまな研究が発展すると思われます。

 興味のある方はお声をおかけください。ちなみに来年の学会は京都です。

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