肺結核診断における血清ペリオスチン値測定の有用性を検証する後ろ向き観察研究

2016年11月17日

【研究の概要】

結核は有効な治療の確立した現代においても、依然として世界中で多数の罹患者や死者を出しており、世界の三大感染症の一つです。先進国のほとんどは結核低蔓延国ですが、日本はいまだ結核の中蔓延国に分類されています。結核を撲滅するためには結核を早期に診断して治療すること、そして周囲に感染させる可能性のある肺結核患者(排菌患者)には適切な感染対策を講じることが重要です。しかし、結核の診断は患者側の要因(症状があるのに病院を受診しない)や医療者側の要因(結核を疑わない)でときに遅れることがあります。「結核を疑わない」理由の一つとして、結核菌以外の一般細菌による肺炎の臨床像が肺結核と似ている場合があることがあげられます。我々の研究グループは、肺結核と結核以外の肺炎の早期鑑別を可能にする血液検査について研究を行っております。

 

近年、喘息や特発性肺線維症の患者さんの診断や病状把握のため、血液中のペリオスチン測定が有用である可能性が報告されています。ペリオスチンは線維芽細胞や肺胞上皮細胞から産生されますが、我々は結核菌を封じ込める肉芽腫の形成に線維芽細胞が重要な役割を果たしていることや結核の治癒後に線維化が生じやすいことに着目しました。そして結核患者では血液中のペリオスチンが上昇し、結核以外の肺炎患者との鑑別が可能になるのでないかと考えております。本研究は琉球大学倫理審査委員会の許可を得て実施いたします。

 

【研究の方法】

研究施設は琉球大学医学部附属病院、国立病院機構沖縄病院の二つです。いずれかの病院に、2012年1月から2016年12月のあいだ入院された肺結核や結核以外の肺炎患者のうち、文書による同意が得られ、日常診療で採取した血液の残血清が保存されている方を対象とします。

 

【診療録から利用する情報】

年齢、性別、基礎疾患、肺炎の重症度(肺炎の広がりや結核患者では排菌の程度)。

 

【個人情報の取り扱いについて】

本研究で使用する診療情報は、患者さんの氏名や住所などの患者さんを特定できる個人情報は削除します。また、研究成果は学会や学術雑誌などで発表することがありますが、その際も患者さんを特定できる情報は一切使用しません。

 

【参加を希望されない患者さんへ】

本研究への参加を希望されない場合には、下記までご連絡下さい。あなたに関するデータを削除いたします。ただし、学術発表などすでに公開された後のデータなど、患者さんやそのご家族からの撤回の内容に従った措置を講じることが困難となる場合があります。

 

【お問い合わせ先】

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