沖縄県における非結核性抗酸菌症の菌種分布、臨床像などに関するレトロスペクティブ横断研究

2016年11月18日

【研究の概要】

結核菌は細菌学的に抗酸菌という仲間に分類されますが、結核菌以外の抗酸菌は非結核性抗酸菌(Nontuberculous mycobacteria:NTM)と呼ばれ、結核菌同様、肺炎の原因となります。結核菌はヒトからヒトに感染しますが、NTMは土壌や水中に広く分布しており、環境中からヒトに感染すると考えられています。NTMは現在、約150種類が知られていますが、そのうちヒトへの感染報告があるのは30程度と言われています。肺のNTM感染症は高齢化や免疫不全患者の増加に伴って世界的に罹患率が増加していますが、地域によって菌種分布が異なることが知られています。しかし、沖縄にどのような菌種が多いのかという大規模な研究はありません。NTMは菌種ごとに臨床経過が異なることが知られており、沖縄ではNTMのどの菌種が多いのか、またどのような患者がNTM感染症にかかりやすいかを知ることが重要です。本研究では、過去の診療録情報を基にNTMの菌種分布、検出された患者の基礎疾患、そして画像所見の特徴などを調べます。

 

【研究の方法】

研究施設は琉球大学医学部附属病院、沖縄県立中部病院、国立病院機構沖縄病院の3つです。いずれかの病院で、2009年1月から2015年12月の期間に喀痰などの気道検体からNTMが検出された症例を調べ、どのようなNTM菌種が検出されたか、検出された患者さんの基礎疾患、そして画像所見の特徴などを調べます。

 

【診療録から利用する情報】

検出されたNTM菌種、年齢、性別、喫煙歴、基礎疾患(呼吸器疾患や心疾患、糖尿病など)、内服薬(免疫抑制剤や胃薬の使用)、臨床症状(発熱、咳嗽、血痰の有無など)、胸部CT所見、診断前後で検出された他の菌種。

 

【個人情報の取り扱いについて】

本研究で使用する診療情報は、患者さんの氏名や住所などの患者さんを特定できる個人情報は削除します。また、研究成果は学会や学術雑誌などで発表することがありますが、その際も患者さんを特定できる情報は一切使用しません。

 

【参加を希望されない患者さんへ】

本研究への参加を希望されない場合には、下記までご連絡下さい。あなたに関するデータを削除いたします。ただし、学術発表などすでに公開された後のデータなど、患者さんやそのご家族からの撤回の内容に従った措置を講じることが困難となる場合があります。

 

【お問い合わせ先】

〒903-0215
沖縄県中頭郡西原町上原207番地

琉球大学医学部附属病院 第一内科
助教 金城武士

TEL 098-895-3331(内線:1144)
FAX 098-895-1414

 

【各施設の研究責任者】

琉球大学医学部附属病院第一内科助教:金城武士

沖縄県立中部病院呼吸器内科医師:長野宏昭

国立病院機構沖縄病院内科医師:仲本敦

 

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