学位取得者の紹介
(前城 達次)

学位取得者の紹介(前城 達次)
医学博士 医論 185号 平成20年1月31日
学位論文 Different natural courses of chronic hepatitis B with genotypes B and C after the fourth decade of life. World J Gastroenterol 13: 4560-5, 2007.

今回B型肝炎ウイルスの自然経過に関する臨床研究で学位を頂きました。学位取得に関して、以下の方々に感謝申し上げます。

・論文の内容や英文作成に関して御指導を頂いた諸先輩方。 ・外来や病棟業務を行いながらの臨床研究であったため、私に研究のための時間を与えてくれた、同じグループの先輩後輩の先生方。 ありがとうございました。

学位論文の内容はB型肝炎ウイルス(HBV)の遺伝子型の違いを踏まえて自然経過を検討し、我々の治療適応を提示した内容です。沖縄県はC型肝炎ウイルス感染者も少なく、B型肝炎ウイルスもおとなしいタイプであり、全国に比べて肝疾患に関する研究はまだまだです。特に症例数が少ないため、臨床研究を行うのは大変ですが、逆に沖縄県の肝疾患はHBVを含め全国にはない特徴があり、むしろその点に関して今後も臨床研究を続けて行かなくてはいけないと考えています。

今回の論文作成・学位収得は自分自身にとっては非常に大きな意味がありました。我々臨床医が臨床研究を行うにあたり、症例の貴重なデータを確実に集積し、それを皆に還元する方法。わが師匠佐久川廣先生(ハートライフ病院副院長)が以前から言われていたことですが、データ収集が非常に重要であることを痛感しました。さらに当たり前のことですが、患者さんから得られた貴重な情報を大事に、無駄しないことなどを改めて認識できたことが貴重な経験となりました。このような経験をできたこと、とても心地よく感じています。

また当第一内科には仲宗根啓樹先生という先輩がいましたが、この先生を私なりに表現すると“人に厳しく、自分にはさらに厳しい人”でした。非常に尊敬していた先輩なのですが、残念ながら若くして他界されました。私は仲宗根先生が亡くなる直前に学位をとる約束をしていました。人によっては学位取得が重要でない方もいると思います。しかし不器用な私にとって、仲宗根先生との約束は一大事であり、なんとか約束を果たせたことに安堵しています。いい感じでホッとしています。

今回私は論文作成・学位取得の過程及びその結果によっていい経験ができました。今回の論文が“世のため人のため”とは考えてはいません。ただの自己満足です。訂正します。ただのではなく“とても気持ちのいい自己満足”です。今、この文章を読んでくれている人は同じ同門の仲間かもしれないし、全然関係ない方かもしれません。今後、一緒に仕事をする可能性のある後輩の先生が、この“気持ちいい自己満足”を目指すのであれば是非応援したいと考えています。そうでなくても、この文章を読んでいるみんなにとって、目的を達成できた、“気持ちいい自己満足”を少しでも共感していただければ幸いです。

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