学位取得者の紹介
(平田 哲生)

学位取得者の紹介(平田 哲生)
医学博士

医論第172号 平成18年5月31日

学位論文

Impairment of host immune response against Strongyloides stercoralis by human T cell lymphotropic virus type 1 infection. Am J Trop Med Hyg 74(2):246-249. 2006.

15年にわたり第一内科で行ってきた糞線虫に対する研究をまとめた論文で、医学博士号を頂くことができました。これも藤田教授、金城福則診療教授、前教授の斎藤名誉教授のご指導によるものと感謝しております。

グループ紹介の消化器のページで述べておりますように、これまでに糞線虫グループは糞線虫症の診断法、治療法を確立し、沖縄県の医療に貢献してきました。この業績によりこれまで3人の先輩医師が学位を取得しております。また、その成果をこれまでに100編以上の論文として投稿し、国内外に発表しております。私の今回の学位論文はこれまでの成果をまとめたものです。

当科では患者様が入院する際には糞線虫と成人T細胞性白血病ウイルス(HTLV-1)抗体の検査をほぼ全員に行っております。その理由は沖縄県では両疾患が多く存在し、しばしば病気の治療に影響を及ぼすことがあるために必要と考えるからです。このような背景のもと1991年から2004年の間に3360人の患者様のデータを解析したのが今回の学位論文です。この研究により、HTLV-1感染者においては、非感染者と比較し、?有意に糞線虫感染率が高い、?血清IgE値、および末梢血好酸球数が有意に低い、および?イベルメクチンによる駆虫率が有意に低いことが明らかとなりました。これらの結果はすぐに日常診療に応用できるものです。

この論文の特徴は臨床の現場で蓄積されたデータを解析した臨床研究であるということです。つまり実験を行ったものではなく日々の診療におけるデータより得られた知見であります。入院患者様一人一人のデータのつみ重ねですので、第一内科全体の協力を得て初めて出来上がった研究です。日々の診療はとても大事です。しかし、そこから得られるものをまとめること(臨床研究)も重要です。医師一人で診療できる(救える)患者様の数には限りがあります。しかし、臨床研究により得られたデータを論文化することで数多くの患者様を救える可能性があります。それが臨床医にとっての責務だと思います。また、より高い志を持って日常の診療に従事することができるようになると思います。

最後に当科では糞線虫以外にも多数の臨床研究を行っています。興味のあるかたはお気軽にご連絡下さい。

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