非定型病原体による呼吸器感染症の疫学および臨床像に関する研究

2015年10月4日

肺炎球菌やブドウ球菌といった病原微生物は一般細菌と呼ばれ、染色液を用いれば光学顕微鏡下で観察が可能です。一方、マイコプラズマや種々の呼吸器ウイルスは光学顕微鏡による観察が困難であり、肺炎を起こすと一般細菌による肺炎とは臨床像が異なることから、非定型病原体として区別されます。一般細菌による肺炎は喀痰を染色することで診断ができることがありますが、非定型病原体による肺炎の診断は現状の方法では難しいことが多いのが現状です。

 

近年のpolymerase chain reaction (PCR)法に代表される検査技術の発展により、非定型病原体の診断精度は格段によくなりました。Multiplex PCR法は一回の検査で複数の病原微生物を同時に検査できる新しい検査手法ですが、国内ではその使用経験は少ないのが現状です。当科では2012年からこの検査手法を導入し、非定型病原体による呼吸器感染症の診断に力を入れてきました。本法を用いることで、従来法では原因のわからなかった肺炎症例を確定診断できたケースを多々経験しています。今後、Multiplex PCR法を臨床現場に導入することのインパクト、また非定型病原体による呼吸器感染症の疫学や臨床像を解明していきたいと考えております。

 

詳細に関しては下記PDFをご覧ください。

 

この研究領域に関連する臨床研究

 

1.沖縄県における呼吸器ウイルスの流行状況およびその臨床像を解明する前向き研究
(琉球大学倫理審査委員会、承認番号:644)

2.非定型病原体による呼吸器感染症の疫学および臨床像に関する後ろ向き研究
(琉球大学倫理審査委員会、承認番号:637)

 

代表者名:金城 武士

感染症・呼吸器・消化器内科学教授 藤田次郎

 

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